オフィスにおける 新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン

経団連では、2020年5月に「オフィス」と「製造事業場」それぞれを対象に「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」(以下、ガイドライン)を取りまとめています。
以来の感染症に関するエビデンスの蓄積を踏まえて、ガイドラインを再訂していますが、4月13日に再びガイドラインが改訂されました。

企業における感染症予防・従業員等より感染者が確認された場合の対応など、目安になる解説がされています。

(1)感染予防対策の体制

  • 経営トップが率先し、新型コロナウイルス感染防止のための対策の策定・変更について検討する体制を整える。
  • 感染症法、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の関連法令上の義務を遵守するとともに、労働安全衛生関係法令を踏まえ、衛生委員会や産業医等の産業保健スタッフの活用を図る。
  • 国・地方自治体・業界団体などを通じ、新型コロナウイルス感染症に関する正確な情報を常時収集する。

(2)健康確保

  • 従業員に対し、出勤前に、体温や新型コロナウイルスへの感染を疑われる症状の有無を確認させる。体調の思わしくない者には各種休暇制度の取得を奨励する。また、勤務中に体調が悪くなった従業員は、必要に応じ、直ちに帰宅させ、自宅待機とする。
  • 発熱などの症状により自宅で療養することとなった従業員は毎日、健康状態を確認した上で、症状がなくなり、出社判断を行う際には、学会の指針などを参考にする。症状に改善が見られない場合は、医師や保健所への相談を指示する。
  • 上記については、事業場内の派遣労働者や請負労働者についても派遣事業者・請負事業者を通じて同様の扱いとする。

(3)通勤

  • テレワーク(在宅やサテライトオフィスでの勤務)、時差通勤、ローテーション勤務(就労日や時間帯を複数に分けた勤務)、変形労働時間制、週休3日制など、様々な勤務形態の検討を通じ、公共交通機関の混雑緩和を図る。
  • 自家用車など公共交通機関を使わずに通勤できる従業員には、道路事情や駐車場の整備状況を踏まえ、通勤災害の防止に留意しつつこれを承認することが考えられる。

(4)勤務

  • 飛沫感染防止のため、人と人との間に一定の距離を保てるよう、仕切りのない対面の人員・座席配置は避け、可能な限り対角に配置する、横並びにするなど、工夫する。仕切りがなく対面する場合には、顔の正面からできる限り2メートルを目安に、一定の距離を保てるよう、工夫する。
  • 従業員に対し、始業時、休憩後を含め、定期的な手洗いを徹底する。このために必要となる水道設備や石けんなどを配置する。また、水道が使用できない環境下では、手指消毒液を配置する。
  • 従業員に対し、常時マスク着用に努めるよう徹底する。ただし、人との距離を十分確保できる場合には、状況に応じてマスクを外すこともできる。
  • 建物全体や個別の作業スペースの換気に努める。窓が開く場合1時間に2回以上、窓を開け換気する(寒冷期はこまめに)。なお、機械換気の場合は窓開放との併用は不要である。換気の効果を確認するうえでCO2モニター等を活用する方法もある。
  • オフィス内の湿度については、事務所衛生基準規則等に基づき、空調設備や加湿器を適切に使用することにより、相対湿度40%~70%になるよう努める。寒冷期は適度な保湿が感染拡大防止に有効であると考えられていることに配慮する。
  • 他人と共用する物品や手が頻回に触れる箇所を工夫して最低限にする。
  • 人と人が頻繁に対面し、かつマスクの着用を徹底できない場所は、アクリル板・透明ビニールカーテンなどで遮蔽する。
  • 外勤は公共交通機関のラッシュの時間帯を避けるなど、人混みに近づかないようにする。
  • 出張については、地域の感染状況や出張先の感染防止対策に注意する。
  • 外勤時や出張時には面会相手や時間、経路、訪問場所などを記録に残す。
  • 会議やイベントはオンラインで行うことも検討する。
  • 株主総会については、事前の議決権行使を促すことなどにより、来場者のない形での開催も検討する。
  • 会議を対面で行う場合、マスクを着用し、換気に留意する。また、椅子を減らしたり、机などに印をつけたりするなど、近距離や対面に座らないように工夫する。
  • 対面の社外の会議やイベントなどについては、感染防止対策などを確認したうえで、最小人数とし、マスクを着用する。
  • 採用説明会や面接などについては、オンラインでの実施も検討する。
  • テレワークを行うにあたっては、厚生労働省のガイドライン#4などを参照し、労働時間の適正な把握や適正な作業環境の整備などに配慮する。

(5)休憩・休息スペース

  • 共有する物品(テーブル、椅子など)は、定期的に消毒する。
  • 使用する際は、入退室の前後の手洗いを徹底する。
  • 喫煙を含め、休憩・休息をとる場合には、できる限り2メートルを目安に顔の正面から距離を確保するよう努め、一定数以上が同時に休憩スペースに入らないよう、休憩スペースの追設や休憩時間をずらすなどの工夫を行う。
  • 特に屋内休憩スペースについては、スペース確保や、常時換気を行うなど、3つの密を防ぐことを徹底する。
  • 食堂などで飲食する場合は、時間をずらす、椅子を間引くなどにより、顔の正面からできる限り2メートルを目安に距離を確保するよう努める。施設の制約などにより、これが困難な場合も、対面で座らないように配慮する。

(6)トイレ

  • 便器は通常の清掃で問題ないが、使用頻度の高いときは清掃も1日複数回行うなど、清潔に保つ。
  • トイレに蓋がある場合、蓋を閉めてから汚物を流すよう表示する。
  • 共通のタオルは禁止し、ペーパータオルを設置するか、従業員に個人用タオルを持参してもらう。ハンドドライヤー設備は、メンテナンスや清掃等の契約等を確認し、アルコール消毒その他適切な清掃方法により定期的に清掃されていることを確認する。

(7)設備・器具

  • ドアノブ、電気のスイッチ、手すり、エレベーターのボタン、ゴミ箱、電話、共有のテーブル・椅子などの共有設備については、頻繁に洗浄・消毒を行う。
  • ゴミはこまめに回収し、鼻水や唾液などがついたゴミがある場合はビニール袋に密閉する。ゴミの回収など清掃作業を行う従業員は、マスクや手袋を着用し、作業後に手洗いを徹底する。
    ※ 設備・器具の消毒は、次亜塩素酸ナトリウム溶液やエタノールなど、当該設備・器具に最適な消毒液を用いる。

(8)オフィスへの立ち入り

  • 取引先等を含む外部関係者の立ち入りについては、必要な範囲にとどめ、当該者に対して、従業員に準じた感染防止対策を求め、立ち入り者を記録する。
  • 名刺交換はオンラインで行うことも検討する。

(9)従業員に対する感染防止策の啓発等

  • 従業員に対し、感染防止対策の重要性を理解させ、日常生活を含む行動変容を促す。このため、政府・専門家の発表している「『新しい生活様式』の実践例」#5「職場におけるコロナ感染症対策のお知らせ」#6(特にトイレや休憩・休息スペース等、“場の切り替わり”での対策等)を周知するなどの取り組みを行う。
  • 従業員に対し、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)の利用を呼びかける。COCOAを通じて接触の通知を受けた従業員に対しては、検査とともに、検査結果が出るまでの自己隔離を促す。
  • 公共交通機関や図書館など公共施設を利用する従業員には、マスクの着用など咳エチケットの励行、車内など密閉空間での会話を控えることなどを徹底する。
  • 患者、感染者、医療関係者、海外からの帰国者、その家族、児童等の人権に配慮する。
  • 新型コロナウイルス感染症から回復した従業員やその関係者が、事業場内で差別されることなどがないよう、従業員に周知啓発し、円滑な職場復帰のための十分な配慮を行う。
  • 発熱や味覚・嗅覚障害といった新型コロナウイルス感染症にみられる症状以外の症状も含め、体調に思わしくない点がある場合、濃厚接触の可能性がある場合、あるいは、同居家族で感染した場合、各種休暇制度や在宅勤務の利用を奨励する。
  • 過去14日以内に政府から入国制限されている、または入国後の観察期間を必要とされている国・地域などへの渡航並びに当該在住者との濃厚接触がある場合、自宅待機を指示する。
  • 取引先企業にも同様の取り組みを促すことが望ましい。

(10)感染者が確認された場合の対応

① 従業員の感染が確認された場合

  • 保健所、医療機関の指示に従う。
  • 感染者の行動範囲を踏まえ、感染者の勤務場所を消毒し、同勤務場所の従業員に自宅待機させることを検討する。
  • 感染者の人権に配慮し、個人名が特定されることがないよう留意する。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的とした個人データについては、個人情報保護に配慮し、適正に取り扱う#7
  • オフィス内で感染者が確認された場合の公表の有無・方法については、上記のように個人情報保護に配慮しつつ、公衆衛生上の要請も踏まえ、実態に応じた検討を行うものとする。

② 複数社が混在する借用ビル内で同居する他社の従業員で感染が確認された場合

    • 保健所、医療機関およびビル貸主の指示に従う。

(11)その他

    • 総括安全衛生管理者や安全衛生推進者は、地域の保健所の連絡先を把握し、保健所の聞き取りなどに協力する。

経団連 オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン

経団連 新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインの再訂について

【参考】新型コロナウイルス感染症対策 内閣官房ホームページ

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